けんちく好きの家探し

建築好きが自分の家を探す話

時代別に見るマンションデザインの変遷(00年代以降)

00年代 脱ポストモダン、合理的シンプル主義

明らかに脱ポストモダンを感じるようになりました。今までガタガタ・カクカク・曲線が混ざったデザインが目立っていたのに、いきなりツルっとしたきれいな直方体が増えます。失われた10年を経験した合理化・効率化の果てという感じでしょうか。そして、室内が広くなり、天井も高くなる傾向にあり。梁柱を室内に出さないようにする工夫も増えます。まだテラスは腰壁タイプがありますが、ガラスも増えてきます。「風通し・日当たり良好って言っとけばいいんでしょ」というデベの言葉が聞こえてきそうです。曲線の凝ったアイアン手すりなどは完全に息をひそめます。というか、「凝った意匠」というもの自体が消え去ります。共用部がビジネスホテルみたい。

 

10年代 生活に寄り添う新ナチュラル主義

00年代と基本同じですが、素材の透明感が出てきたり、エントランスが広くなって植樹が増えたり、パントリーやら靴箱、WICなど収納のバリエーションが増えて使いやすくなったりするのが10年代。家自体も広く、個室を細かく区切ったプランは消失。広いテラスが標準でついている物件も増え、外で過ごす時間を提案しているものもあります。家で過ごすライフスタイルが定着してきているってことなのか。外梁・逆梁とか2重床・天井などにより、室内がボコボコせず真四角に広い物件が出てきました。「やっぱり新しいもんはいいのう」と感じられる物件が増えてきました(?)。

 

20年代 半屋外新時代が来る?

今までの流れで言うと20年周期でデザインテイストがガラッと変わっているので、次は2020年以降でまた変化が起こりそう。次は何かな~。個人的にはこういう系を想像していたりして↓

 

藤本壮介さんのフランスにあるマンション

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西沢立衛さんの戸建て

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半屋外:屋内=1:1みたいなやつ。テラスって最高なんだよね。みんなもっとテラスを愛そうぜ。

とはいえ、20年以降は景気が悪化していそうだし、人も減るしでそもそも新築マンションの時代ではないのかもなあ。古民家とか古いマンションを丸ごとリノベした物件が増えてくるんだろうか。

 

個人の感想だけでどれだけ語るんだって感じですが…。

わたしは70年代が一番好きでした。もともと廃墟好きで、古い雰囲気に殺風景なインテリアが大好物なんですよね。安全性で言うと全くお勧めできませんが。

 

マンション供給戸数で言うと00年代が最多

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ちなみに新築マンションの供給戸数で見ると00年代がダントツに多いんですねえ。デザインが特徴的なので目立っていた70年代80年代などはむしろ少な目、10年代はガクッと減っています。今回は自分にとってのお得ラインを「築20年以上」としていたのでほとんど見てなかったのですが、今後10年20年経つと00年代のマンションが今の築20年以上よりかなりお得に買えそう。まあ当り前か…。今の良いマンションって梁柱が出てなくて開口部の大きさあるので、これを中古で安く買える世代がうらやましい。その頃にはもっといいサッシや構造が発明されているんでしょうけれど。

 

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