けんちく好きの家探し

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時代別に見るマンションデザインの変遷(60~90年代)

中古マンションを見始めると、年代別のデザインの傾向が見えてきます。私の観測範囲内だけですが、こんな傾向がありました↓

 

60年代 日本マンションの萌芽

まだRC・SRCマンションがあまり流通していなかった時代で、物件自体がレアです。でも数少ない60年代生まれは魅力的な物件が多いような気がしました。その当時のお金持ちの持ち物だったせいか、細かい凝ったデザインが目立ちます。いわゆるビンテージマンションというものかもしれません。今では考えられないような3次曲面の階段裏の造形とか、手すりがアイアンでくるりーんとなっていたりとか。この年代で私が検討したマンションは住民愛が強いものが多くて、共有部分になんともいい雰囲気を感じます。

 

70年代 重厚長大、モダニズムの影響

意外と多いのが70年代のマンション。重厚な印象で、華美ではないもののどっしりしています。数が少なく見た中ではきれいなものが多かった60年代に比べて、当たり外れが多く、放置されているとタイルが欠け、コンクリートはひびが行って廃屋チックなものもありました。このころ建設ラッシュで、コンクリートの質が悪いものが混じっているそうです。人気のシリーズは60年代マンションと似た雰囲気で、メルヘンチックだったりモダニズム風だったりで、きれいに維持されている物件は魅力的なものが多かったです。ただ、全体的に天井高が低めで、梁柱が室内に露出しています。これはいつもネックになりました。

 

80年代 ポストモダンとゴージャス

バブル?ポストモダニズムの影響?色ありの天然石と金色、シャンデリア、ステンドグラスという世界観のマンションが増えてきます。カクカクと細かい凸凹があったり、アーチやヴォールトが表現されたりしていてなかなか情報量の多いこってりデザイン。外観形状で思いっきり遊んでいる物件もあり、台形や三角などの変形プランがあるのもこの時代。エントランスに謎のモニュメントがあったりします。ただし室内はリフォームされている物件が多いので、入るといきなりシンプルだったりナチュラル調だったりして時代を超えたギャップを楽しむことができます…。

 

90年代 ポストモダンの残滓、灰色の時代

基本デザインは80年代に似ているのに、いきなりモノトーンに、少し無機質になっていくのが特徴的です。色つきの天然石が減って、グレーや黒の御影石とかが多目かも。90年代初頭はまだバブリーな物件が残っているのですが、色数はやはり減っているようです。室内はシンプル・ダーク系の内装だけどポーチに謎の玉や凝ったポーチライトがついていたりと折衷的なテイストもあり、ちょうど過渡期という感じです。

 

長くなったのでいったん切ります。

 

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